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江波山気象館 メールマガジン
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2005年 12月2号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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「たまご」大暴れ 
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 北半球の冬は、極付近に寒気が溜まり、南北の温度傾度(温度差)が大きくなります。このため、偏西風は南北に大きき蛇行して、南北の熱交換をします。この蛇行が北極を取り巻いて2〜3波になると、波の谷の動きが遅くなるため、谷底にあたる地域には、次々と寒気が南下します。日本付近がこのような状態になると、日本付近は強い冬型の気圧配置が持続して日本海側に大雪をもたらします。

 今年の12月の大雪をもたらした寒波の際にも、このような偏西風の蛇行がみられ、500hPaの高層の予想天気図でみると日本付近は、波長が約1万kmもある超長波の深い谷の中にありました。谷の中には、偏西風から切り離された切離低気圧(寒冷渦)が見られます。この寒冷渦は、「たまご型」をしているのが特徴です。

 先の予想天気図では、寒冷渦の「たまご」は日本から見て横向きになっており、中心付近の気温は−45℃の強い寒気を伴っています。時間とともに「たまご」は反時計回りに回転し、回転に伴って立ち上がり、、偏西風の蛇行がより強まり、強い寒気を日本付近にもたらすようになります。(最初に沿海州にあった−40℃の寒気は、次第に南下し能登半島付近までやってきます)

 偏西風の蛇行が袋型(鍋底型)になると寒冷渦は行き場を失い、袋の中でグルグル回転しながら横向き(寒気が緩む)や南北に立ったり(寒気が強まる)します。このことによって寒気が強弱を繰り返します。

 また、「たまご」には、蛸足的にいくつかの凹凸があることがあり、凸のところが小さな谷場(トラフ)を形成していて、谷の通過に伴って、天気を崩すことがあります。

 今回の寒冷渦「たまご」は大きくて、黄身も二つあり、中心付近の気温も、−48℃もある超1級の寒気を伴っていました。

 超長波が居座ると、異常気象になると言われています。今年はカメムシが大量に発生し、このため、今年の冬は大雪が降るのではないかという声があちこちでありました。気象庁も、「暖冬」から「厳冬」へと予想を修正し、12月としては、記録的な積雪となっています。昔からの言い伝えも今年は当たっているようですね。



図中の矢印は日本から見た「たまご」の向きを示しています。

来年もよろしくお願いします。