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江波山気象館 メールマガジン
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2006年 6月2号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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梅雨明け十日
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 梅雨の明けた後には本格的な夏が来ます。

 例年は南から太平洋高気圧が強まって北に張り出し、梅雨前線を大きく北の方に押 し上げてきます、そしてこの高気圧におおわれると上空の風は弱まり、上層雲といわ れる氷の粒でできた雲も無くなり、すっきりとした青空になります。

 太平洋高気圧は上空まで強く背の高い高気圧で、この高気圧に覆われた地域は大気 の状態は安定し毎日晴天が続きます。これが「梅雨明け十日」といわれる安定期で、 大気の状態は安定し一時的に雷雲も出にくくなります。

 梅雨が明けるまでの大気は上空に水分を多く含んでいますが、夏の太平洋高気圧の 上空は乾燥した空気で、このことは雨の降り方にも違いが出ます。

 梅雨期の広い範囲 で災害をもたらす大雨は、南海上からの暖かく湿った空気ですが、梅雨明け後の太平 洋高気圧の上空では、空気中の水分は少なく乾燥しています。

 このときの雨は比較的狭い範囲で熱雷(太陽によって地表面温度が上がり対流が起 こり発生する雷)によって降ります。しかし、上空に寒気が殆ど無ければ、宵のうち に雷雨は収まります。このように気団が入れ替わると梅雨が明けます。

 現象としては、沖縄から東北まで各地で大雨を降らせた梅雨前線が太平洋高気圧の 張り出しにより本州の北のほうへ押され、北緯40度線付近まで来るとそれより北に 押しやる力は無く前線は衰弱します。このため、先に述べたように太平洋高気圧に覆 われた日本付近は比較的乾燥した高気圧のエリアで好天といわれる晴天が維持される のです。

 また、このころは瀬戸内では高気圧の中で規模の大きな風の流れがなく、夕方から 夜にかけて「風死す」といわれる夕凪から続く夜間の無風状態は瀬戸内の風物詩です。

 連続的な暑さの続く期間で、その年の最高気温は大部分が梅雨明け十日とプラス数日間の間に記録しています。