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江波山気象館 メールマガジン
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2007年 10月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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紅葉のおはなし
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秋も深まり、日本列島を紅葉前線が南下中です。広島県でも県北の比婆山(標高1264m)では紅葉が見ごろを迎えています。
この紅葉前線ですが、例年だと、北海道の山地(大雪山が日本で一番早い紅葉の名所と言われています)で9月中旬頃に紅葉が始まり、九州南西部では12月上旬と、2ヶ月以上かかって日本列島を縦断します。
また、一つの山について見ると、低温の山頂近くで紅葉が始まり山麓へ向かって紅葉前線が移動します。その下山速度は100mにつき約3日といわれています。
ちなみに、広島地方気象台が観測している広島市のイロハカエデ紅葉の平年日は、11月20日、昨年は11月25日でした。

さて、秋になって植物の葉の色が変わることを一般的に「紅葉(こうよう)」と言っています。しかし、よく考えるとイロハカエデやナナカマドなど赤くなる葉もあればイチョウなどの黄色になる葉、さらにブナなどの褐色になる葉など様々な色があります。
また、国語辞典を見ると紅葉(こうよう:秋になって赤くなる葉)と黄葉(こうよう:秋になって黄色になる葉)の二種類のこうようがあります。
いったいどういうことなのでしょうか?ちょっと調べてみました。

紅葉(こうよう)を見に行くことを「紅葉狩り(もみじがり)」といいますが、実は○○もみじ、△△もみじという名前の植物は、学術的にはすべてカエデ科の植物で「モミジ」という植物はありません。ではどうして「紅葉」を「もみじ」と呼ぶようになったのでしょう?
まず「もみじ」という言葉ですが、辞典を調べてみると「もみじ」には、秋に草木が赤や黄色に変わる、という意味が掲載されています。
「もみじ」の語源については色々な説があるようですが、植物から染料を取り出すときの“だんだん色が変わる様子”を表している。つまり「もんで色を出す」「色がもみいずる」=「もみづ(揉出)」という説があります。
そして、この“だんだん色が変わる様子”という意味の「もみづ」が、木々の葉が徐々に色づくという意味にも使われるようになり、そして「もみづ」が時代とともに「もみち」「もみぢ」「もみじ」と変化して現在に至っているというわけです。
万葉集には「もみじ(もみち)」を詠んだ歌が100種以上ありますが、そのほとんどが、もみじ=黄葉と書かれています。これは、その風土性から中国には黄色に色づく草木が多く植生しているため、中国から漢字が渡来したとき黄葉の字を当てはめたためと考えられています。
ところがだんだんともみじ=紅葉という言葉が使われるようになりました。どうやら、日本には葉が赤くなる木が多いことや日本においては赤がおめでたい色であることなどが影響しているようです。
ということで、秋に葉の色が変わる=もみじ=紅葉=こうよう になります。
 四季がはっきりしている日本において、紅葉は桜とともに季節を感じる自然現象の中でも代表的なものです。地球温暖化などの環境問題が叫ばれている今だからこそ、身近な季節を感じて自然について考えてみるのはいかがでしょうか?