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江波山気象館 メールマガジン
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2007年 12月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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太陰暦
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 1月6日は「小寒(しょうかん)」。この日から「寒の入り」で、一年でもっとも寒さが厳しいころです。
さて、みなさんは、日本に古くから伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」という言葉をご存知ですか?この「小寒」、「二十四節気」のうちの一つなのですが、いったい二十四節気とは何でしょうか?

 現在、私たちが使っている暦は太陽の動きによって決まる「太陽暦」です。これは太陽が黄道を春分点から春分点までを動く周期(黄径360度)を1年とするものです。これを24等分(太陽の黄径15度毎)して、それぞれの季節の移り変わりがわかるようにしたものが二十四節気です。すなわち、各節気の区分点を太陽が通過していく日を(小寒の場合、1月5日頃、太陽黄径285度)「今日は二十四節気の○○です」といった感じで表します。

 古代中国では、月の満ち欠けによって月日を数える「太陰暦」が使われていました。「太陰暦」の日付は、月の引力によって起こる潮の干満を知る目安になりました。また照明の発達していない時代には、月の明かりによる夜の明るさを知るために、とても便利でした。しかし、「太陰暦」では、太陽の位置とは無関係であるため、日付と季節の変化の間にずれが生じて農耕などに不便でした。

 そこで考えられた暦が「太陰太陽暦」で中国や日本(旧暦)などで昔から用いられていました。この暦は、日付だけでは実際の季節をうまく表わすことができなかった点を太陽の動きにあわせて修正し、日付と季節のずれを調整しました。

 しかし、欠点は月の満ち欠けで1か月を決めていた「太陰暦」と太陽の動きによって決まる「太陽暦」、この両方を一致させるためには閏月を置いてつじつまを合わせなければならないことでした。

「太陰暦」では月の満ち欠けする周期を1か月とし、1か月の日数は29日か30日で、1年は約354日です。一方「太陽暦」では、地球が太陽の周りをまわる周期で、1年は約365日です。そのため「太陰暦」の1年は太陽の動きよりも、11日短くなってしまいます。この不都合を補うために、ほぼ32〜33か月で1か月(閏月)を挿入し1年を13か月とすることで、日付と季節のずれを一定の範囲内にとどめる工夫がされました。

 こうして完成した「太陰太陽暦」ですが、暦の日付と実際の季節とのずれは、完全には解消されませんでした。特に農耕などでは不便なことが多いため、季節の基準を示す必要がありました。そのため、二十四節気が暦に記載されるようになりました。
この二十四節気は、現在の暦ともだいたい一致しているため、天気予報の解説にもしばしば登場し、季節を感じる言葉として用いられています。

二十四節気の名称は、
「春」立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨
「夏」立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
「秋」立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降
「冬」立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒 の24種類です。

私たちの生活の中に、昔からの風習や行事が残っているのは、旧暦の頃からの生活習慣に特別な思いがあるからなのでしょうか?