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江波山気象館 メールマガジン
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2009年 12月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
https://www.ebayama.jp
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2010年の初日の出
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 日の出を見るのはすがすがしいものですが、初日の出は新しい年の始まりを象徴し、さらに特別な意味を持ってきます。毎年お正月には初日の出を見ることを習慣にしておられる方も多いのではないでしょうか。

 週間天気予報では、元旦の天気もすでに発表されており、江波山気象館がある広島県(南部)は、12月26日11時発表の予報では晴れ時々曇りとなっています。予報の的中しやすさを示す信頼度もAとなっていますから、広島南部では今年は初日の出を見ることができるかもしれません。

 さて、初日の出の時刻や方位など、初日の出に関する情報は、国立天文台天文情報センター暦計算室や海上保安庁のホームページで調べることができます。国立天文台はともかく、なぜ海上保安庁で?と少し不思議な気もしますが、海上保安庁では船が安全に航行できるようにするため航海暦を発行しており、この情報をもとに初日の出情報も作成しているのだそうです。

 これらの情報によると、広島市では、7時16分に118°の方位(北を0°=360°として、東が90°、南が180°となる。16方位でいえば、ほぼ東南東にあたる。)から太陽が昇ってくることがわかります。

 ここで、日の出とは地平線あるいは水平線から太陽の上辺が現れた時のことをいいます。また、この時刻は、太陽の昇る方向に視界を遮るものがまったくないときのものですので、周りに高い建物や山などがあるときには、この時刻より太陽が見えるのは遅くなります。

 それぞれの場所は県庁や市役所など役所がある場所の緯度経度から計算されています。また、基本的に標高は0m(海上保安庁では5m)で計算をしているため、標高が高い場合には補正をする必要が出てきます。

 ところで、日本で一番はやく初日の出が見られるところはどこなのでしょうか。正解は南鳥島(東京都)で5時27分、本州では富士山で6時42分、本州の平地では犬吠崎(千葉県)で6時46分なのだとか。

 ちなみに、元旦や冬至の頃は、南東にある場所ほど日の出の時刻が早くなっていますが、春分や秋分の頃は東の方向が、夏至の頃は北東の方向の方が日の出が早くなり、一年中いつも同じ場所が日の出が早いわけではありません。

 お住まいの付近の日の出時刻を調べて、2010年は初日の出をぜひご覧になってください。

・国立天文台天文情報センター暦計算室:http://www.nao.ac.jp/koyomi/
(日本各地の日の出の時刻と方位を市や区、村ごとに調べることができます。)
・国立天文台よくある質問:http://www.nao.ac.jp/QA/faq/index.html
(日の出や日の入りなど太陽の動きに関する質問とその回答を見ることができます。)
・海上保安庁による初日の出情報:
 http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/hatsuhi/index.htm
(おもな都市や山、岬、島の日の出の時刻を調べたり、標高による日の出時刻の補正をすることができます。)

 さて、今回は初日の出の話題をお届けしましたが、昨日今日と気象に関する話題が二つ続きましたのでいっしょに情報提供いたします。

1 気象庁による桜開花予報の廃止について
 12月25日、気象庁は、来年から桜の開花予報を行わないとの発表がされました。気象庁では1953年から生物季節観測指針を制定し、全国で一定の基準を定めて生物季節観測を行っており、この中で桜の開花・満開の時期を各気象官署で調べるほか、国民の強い関心事である桜の開花予報も1955年から発表してきました。しかし、民間気象事業者からも開花予報が出されることになったのを受けて、この春から廃止されることになりました。今後は、生物に及ぼす気候の影響を知るために、開花についてのみ観測を行うそうです。

2 黄砂
 12月26日、西日本各地で黄砂が観測されました。新聞報道によると、広島県では実に27年ぶりのこととなります。