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江波山気象館 メールマガジン
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2011年 4月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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初夏の陽気と「メイストーム(5月のあらし)」
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 明日から5月がスタートです。気象館のある江波山公園内の桜は、花満開の季節から、新緑美しい季節へと移りつつあります。気温も暖かくなり「風薫る5月」といわれるようなさわやかな月のはじまりです。

 今回は、初夏の陽気と「メイストーム(5月のあらし)」についての話題です。

 その前に、少し今年の春の広島の気象についてみてみましょう。3月から4月というと、菜種梅雨といわれ、しとしと降り続く雨を連想します。特にこの時期に降る雨は、植物の成長を促す大切な雨です。しかし、広島の降水量について振り返ってみると、3月43.5mm(平年値<1971〜2000年の30年間の平年値>120.5mm)、4月83.0mm<4月29日現在>(同156.0mm)と例年に比べ少ない記録でした。県東部の福山では、3月34.0mm(同80.0mm)、4月51.0mm<4月29日現在>(同104.0mm)と、やはり平年の半分以下の降水量しか観測されず、工業・農業用水の取水制限が実施されるなどの影響がでました。

 5月は、東西に延びる帯状の高気圧に覆われることが多く、気候はたいへんおだやかな月といえます。特に「ゴールデンウイーク」というと、穏やかな行楽日和をイメージします。広島の月別気温の平年値をみると、平均気温は4月の14.6℃から5月の18.9℃と4.3℃上昇します。日の最高気温も20℃を超える日が多くなり、日中は汗ばむほどになります。

 今月27日午後、広島地方気象台は竜巻注意情報を発表し注意を呼びかけました。これは、前線を伴った低気圧が、日本海に進み、大気の状態が不安定になり、竜巻などの激しい突風や落雷、降ひょうなどの恐れがあるためのものでした。広島では、午後1時から2時の間に11mmの雨を観測し、雷が鳴り響くほどの天気でした。
 実はこの時期、日本海で発達する低気圧には、特に注意が必要です。「メイストーム(5月のあらし)」と呼ばれ、日本海で低気圧が猛烈に発達し、あらしを引き起こします。低気圧の中心気圧が1日に30hPa以上も下がることもあり、移動速度もとても速いという特徴があります。この気象状況になると、海や山は大荒れとなり、遭難事故を起こすこともよくあるので注意が必要です。

 さわやかなイメージを持つ5月ですが、時には大きな災害をもたらすという一面もあります。毎日の天気予報を確認して、災害対策も万全にしておきたいですね。