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江波山気象館 メールマガジン
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2011年 11月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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パチッ!っと静電気
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 11月も下旬になると朝晩の冷え込みが厳しく感じられます。先日25日の広島の最低気温は3.3℃と、この時期一番の寒さとなりました。
 パチッ!パチッ! 寒くなると発生しやすい静電気。みなさんも、車に乗ろうとしてドアに触れたり、服を着替えたりする時にパチッ!っと静電気が放電し痛い経験をしたことありますよね。では、なぜこれからの季節は静電気が起こりやすくなるのでしょうか?
 1つ目の理由は、空気が乾燥しているからです。広島で乾燥注意報が発表された月別の回数を見てみましょう。昨年[平成22(2010)年]の回数は、1月9回、2月4回、3月5回、4月6回、5月4回、6月2回、7月0回、8月0回、9月6回、10月4回、11月5回、12月7回でした(5月27日13時より気象注意報・警報は、それまでの広島・呉地域における発表から、広島市などの市町ごとの発表に変更になりました)。
 やはり、これから春先にかけての発表回数が増え、空気が乾燥していることが感じ取れます。静電気には、湿度が高いと起こりにくく、また、静電気が起きても空気中に放電しやすいという性質があります。空気が乾燥すると静電気は、空気中の水蒸気に放電することができず、体に蓄積されてしまいます。
 2つ目の理由は、冬場の衣服の重ね着です。衣服同士の摩擦で、静電気が起こりやすくなります。特に身につける衣服の素材に関係があります。衣服の素材には、プラスの電気を持ちやすい物と、マイナスの電気を持ちやすい物があります。
 例えば、ナイロン製のレインコートや羊毛のセーターは、プラスの電気を持ちやすく、アクリルのセーターは、マイナスの電気を持ちやすいです。プラスやマイナスの電気の持ちやすさの近い素材を組み合わせて着ると静電気が起こりにくいのですが、持ちやすさの違う素材を組み合わせて着ると静電気が起こりやすくなります。このように静電気が蓄積された状態で、指先がドアノブなどに触れると、一気に放電します。
 しかし、夏の季節は、静電気をあまり発生しません。これは、夏の気温に関係があります。夏は、冬や春に比べて温度が高いので静電気は、空気中の水分に微弱な放電を繰り返し、蓄積されにくいわけです。
 では、冬場に静電気が起きにくくするためにはどのような対策があるのでしょうか?屋内の場合、部屋の空気の湿度を55〜60%以上に加湿することで、予防することができます。また、加湿器がない場合でも、洗面器に水を張ったり、洗濯物を室内に干してみたりすることも効果があるようです。お店をのぞいてみると、静電気防止スプレー等、様々な防止商品が紹介されていました。また、外出する際には、重ね着する服の材質を工夫することも大切です。
 私たちの周りにいつもまとわりつく静電気ですが、少し気をつけて、これからの季節を快適に過ごしたいですね。