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江波山気象館 メールマガジン
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2012年 4月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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季節の便り?黄砂現象
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 「今日は黄砂が飛んでいますか?」「洗濯物を干しても大丈夫でしょうか?」気象館にもこのような問い合わせが入る季節になりました。この時期に、毎日の天気変化と同様に気になる情報の一つに黄砂情報があります。街並みなどの景色がかすんで見え、車や屋根に黄色い砂ぼこりが積もったり、洗濯物が汚れたりと、とても気になります。
 気象庁による黄砂の観測は、全国61か所の地点で実施されています。中国地方5県では、広島・岡山・松江・鳥取・下関の気象台で観測されています。
 春先に特に気になる黄砂ですが、全国で年間どれくらいの日数観測されているのでしょうか?観測日数の平年値[昭和56(1981)年から平成22(2010)年30年間の平均値]を調べてみました。1月0.5日、2月2.2日、3月6.9日、4月9.0日、5月4.1日、6月0.4日、7月から9月0日、10月0.2日、11月0.5日、12月0.5日と、やはり3月から5月にかけて多く観測されています。昨年の広島の観測日数をみると、5月には7日観測されました。
 黄砂は、東アジア内部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などの砂漠地帯から舞い上がった砂が、偏西風に乗って飛んでくるものをいいます。砂漠の乾いた砂は、春になると中国西北部に多く発生する低気圧の上昇気流によって、高さ5,000〜10,000mの高さまで空高く巻き上げられます。巻き上げられた砂は、この高さ付近を西から東に吹いている偏西風に乗って日本へと流れてきます。
 黄砂と聞くと、単に洗濯物や車が汚れるといった被害のみを考えがちです。しかし、最近では黄砂に付着した化学物質による健康への被害も問題視されています。一方で黄砂は、炭酸カルシウムを含み、酸性を和らげるアルカリ性のため、環境破壊の一因である酸性雨を中和し、影響を和らげる効果もあるそうです。
 季節の感じを表す言葉の一つにすぎなかった黄砂ですが、最近では、森林の伐採による砂漠化・土地の劣化といった人為的な影響による環境問題としての認識も高まってきているようです。また、黄砂の粒子が大気中に浮遊することによる健康への影響も懸念されています。
 気象台から発表される最新の黄砂情報に注意しつつ、マスクやメガネを着用する・手洗いうがいを欠かさず行う など、まずは、普段の生活の中からでもできる対策を心がけていかねばなりませんね。