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江波山気象館 メールマガジン
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2012年 5月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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落雷!突風!激しい雨〜変わりやすいお天気に注意〜
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 5月も今日で終わり、明日から6月です。衣替えというと以前は6月1日からでしたが、朝の通学風景を見ても5月から夏服の学生を多く見かけるようになりました。今年は、官公庁をはじめ多くの企業も節電目的もあるなかでクールビズの開始を前倒ししました。
 5月とはいえ、朝晩は冷えるときもあるものの、日中は汗ばむ陽気になることもしばしばでした。地上の気温が高くなり、上空に寒気が流れ込むと大気の状態が不安定となり、落雷や大雨が降りやすくなったりします。
 5月29日には神戸で工事作業中に落雷があり男性が意識不明になる事故や、28日には尾瀬国立公園で落雷により男女2名が死傷するなどの被害があったほか、落雷による火災などが各地で発生しています。また、各地で1時間降水量の5月の記録を更新するほどの大雨が観測されたり、「雹」(直径5mm以上の氷の粒)が降ったことが報じられています。
 広島でも17日の午後、安佐北区安佐町で雹が降ったというニュースがありました。この日も、日本の上空には強い寒気が流れ込み、突風や落雷、そして局地的な激しい雨などが起りやすい気象状態でした。
 実は、5月頃から多くなるのが雹の被害です。雹は、初夏の強い日差しを受けて発達した積乱雲の中で生成します。雲は、たくさんの小さな氷や水の粒が集まってできています。この粒がくっつきあってできた小さな氷の粒を「あられ」(直径2mm〜5mmの氷の粒)といいます。あられは、降ってくる途中の気温が高いと融けて雨になり、低い場合は、そのまま降ってきます。
 では、雹はどのようにしてできるのでしょうか。それは、あられが積乱雲の中で、上下運動を繰り返すことで大きく成長したものです。
 5月頃、上空に強い寒気が流れ込むと、地上と上空の気温差が大きくなり、大気の状態がとても不安定になります。そのため、時おり、雲が広がったかと思うと、電光がきらめき、雷鳴がとどろき、雹が降ってくることがあるのです。7月や8月も積乱雲をよく見かけます。でも、雲の中の雹は、地上付近の気温が5月や6月に比べて高いので、雲の中から地面に落ちてくる間に融けて大粒の雨に変わってしまうことが多いのです。
 梅雨時期の話題も聞こえはじめました。最新の気象情報を入手しつつ、天気の急な変化には気をつけたいですね。