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江波山気象館 メールマガジン
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2012年 8月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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気温を観測する場所ってどんな場所?
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 8月も下旬に入ると、朝晩、少し涼しく感じられるようになりました。とはいうものの、日最高気温が30℃を超える日は、まだまだ続くようです。
 今月、広島市の日最高気温の変化を旬ごとに調べてみました。8月上旬35.0℃【平年値33.1℃[昭和56(1981)年から平成22(2010)年30年間の平均値]】、中旬32.7℃(同32.7℃)、下旬(29日までの集計)33.4℃(同32.0℃)と、日最高気温が30℃以上の真夏日が続きました。広島で日最高気温の平年値が30℃以下になるのは、9月の中旬頃からです。
 これからの季節、少しずつ暑さは和らいでいくとはいえ、天気と同じように気になるのが最高気温や最低気温の値です。特に、屋外で活動する場合には、熱中症対策などのため、とても気になります。昼間に屋外で、理科の実験などで使う棒状温度計を用いて地面近くや自分自身の腰の高さあたりの気温を測ってみると、時には40℃以上を示すこともあります。
 気温の観測は、測り方や測る場所によって、その値が大きく変化します。例えば、棒状温度計を夏の日差しに直接当てて観測すると、温度計の値は、みるみる上昇していきます。また、アスファルトやコンクリートなどからの、日の照り返しや輻射(放射)の強い場所でも、観測値が高くなってしまいます。
 では、気象台ではどのように観測をおこなっているのでしょうか?ニュースなどで広島の気温として発表されるのは、広島地方気象台で観測した気温です。気象台は、広島市中区上八丁堀にある広島合同庁舎にあり、その建物の近くにある露場(ろじょう)という芝生広場で観測しています。広島市内にはこの他に、安佐北区の三入でも気温の観測を行っています。近くの観測地点の情報は、気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/index.html)からご覧いただけます。
 観測に用いられる温度計は、電気式温度計を使います。また、温度計のまわりは、直射日光をさけるため、筒状のカバー(通風筒)で覆ってあります。この通風筒の上部には、電動ファンがあり、筒の下から常に外気を取り入れ気温を計測しています。
 さらに、気象台では、いつも同じ条件で気温の観測を行うために、いくつかの基準をきめています。一つ目は、近くに木や建物などの障害物がない開けた平らな土地であること、二つ目は、草丈の短い芝を貼りつめるなどし、地面からの照り返しや輻射(放射)を少なくすること、三つめは、温度計設置の高さを地面から1.5mの所に設置することなどです。このようにいくつかの基準を満たして観測された値が、その地点の気温として発表されています。
 処暑も過ぎたとはいえ、日中の暑さからでは、秋らしさを感じられません。でも、朝晩に窓を開け、自然に流れてくるやさしい風にふれたり、虫の鳴き声を聴いたりすると、秋の訪れを感じさせてくれます。