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江波山気象館 メールマガジン
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2013年 9月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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特別警報って何?
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 気象庁は8月30日に「特別警報」の運用を開始し、9月16日には台風18号の影響により滋賀、京都、福井の3府県に特別警報が発表されました。当日は大雨が長時間続き、3府県を含む多くの地域で様々な被害が出ました。
 特別警報は、例えば大雨の場合、「数十年に一度の大雨となるおそれが大きい」ときに発表されます。「数十年に一度」とはなんだかあいまいですね。具体的には、「50年に一回程度の頻度で発生すると推定される降水量の値」を「50年に一度の値」として、特別警報の基準に用いています。現在使われている値は平成3年から22年までの20年間の観測データをもとに求められたもので、実際に観測された値の最大値というわけではありません。この「50年に一度」の大雨が、府県程度の広がりで降ると想定された場合に、特別警報が発表されます。特別警報が発表された場合には、ただちに命を守る行動をとりましょう。
 警報しか発表されていないからと言って油断はできません。警報や注意報は今までと同じ基準で発表されています。台風18号のときには、特別警報が発表された3府県と同様かそれ以上に大雨が降り続いたにもかかわらず、特別警報が発表されなかった地域もあります。これは、場所よって「50年に一度の値」が異なるためです。今回の3府県よりも雨が降りやすく、「50年に一度の値」が大きく設定されていた地域では特別警報は発表されませんでした。そのため、最新の気象情報に注意し、市町村等の指示に従って避難などを行うことが大切です。
 ところで、どうして「特別警報」を創設することになったのでしょうか。今までは注意報と警報のみ発表していましたが、警報では危険性をうまく伝えられないことがありました。例えば、東日本大震災では大津波警報が発表されましたが、必ずしも住民の迅速な避難に繋がりませんでした。過去の大雨災害の際には、関係市町村による適時的確な避難勧告や、住民の避難行動に結びつかないこともありました。そのため、災害に対する危機感をよりわかりやすく、そして最大限の警戒を呼びかけるため創設されたのです。
 秋は台風が多くなります。今後もまた大雨が降り続く日があるかもしれません。避難指示が出た際にはすぐに避難できるよう、防災用品や避難所などの確認をする習慣をつけましょう。

特別警報について(気象庁HP):
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/index.html
“数十年に一度”の現象に相当する指標(気象庁HP):
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/shihyou.pdf