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江波山気象館 メールマガジン
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2014年 4月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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霞む空
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 春になり晴れ晴れとした青空が広がるようになりました。ところが、時間帯や日によっては晴れていても空がぼやけて、かすみがかって見えることがあります。
 空がかすむ原因は様々です。例えば「霧」や「もや」は雲と同じような空気中に浮遊する水滴によって、視界が遮られる現象です。春や秋には一日の寒暖差が大きくなるため、暖かい昼の間は空気中にある水蒸気が、朝晩になると冷えて飽和し水滴が発生しやすくなります。また、この時期に多い花粉や黄砂、春になり活動が活発となった植物たちが出す水蒸気なども空をかすませます。
 さて、空がかすんでいるときに思い浮かべる言葉には「霧」や「もや」、そして「霞」などがあります。これらの言葉の違いをご存知でしょうか?まず、霧ともやの違いは視程(水平方向での見渡せる距離)で区別されています。霧は視程が1km未満の状態、もやは視程が1km以上、10km未満となっている状態です。ちなみに「濃霧」は視程が陸上でおよそ100m、海上で500m以下の霧のことです。対して、霞は気象観測において定義がされておらず、文学的に使われることが多い言葉です。一般的には、水滴の他に空気中に浮かぶ小さな塵や煙の粒なども含め、それらにより周りが白っぽく見えることを呼ぶようです。
 ところで、何故か春になると「霧」ではなく「霞」という言葉を使いたくなりませんか?古くはどちらの言葉も季節関係なく使われていましたが、平安時代以降、霞は春、霧は秋に主に用いられ、それぞれの季節の季語に分類されるようになりました。どうして呼び分けられるようになったのかはわかっていません。現代の定義にのっとって考えてみるなら、春には黄砂や花粉などのピークがあることから霞を用い、秋には夏の暑さから秋の霧の涼しさを感じ取れるようになったため霧を用いた、と考えると合点がいきます。また、夜になると霞のことを「おぼろ」と呼ぶこともあります。おぼろが月にかかる夜を「おぼろ月夜」と呼んだりしますね。同じような現象でも様々な言葉の使い方があるのは、表現豊かな日本語ならではです。
 ぼやけて見える空を風流に感じることもあるでしょう。しかし、視界が悪くなると事故が起きやすく、特に海上や空の事故の原因となることもあります。また、黄砂やPM2.5などによる健康被害も懸念されています。空がかすむ場合には十分にお気をつけてください。