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江波山気象館 メールマガジン
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2014年 9月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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空を泳ぐ雲の魚たち
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 朝晩が涼しくなり、いよいよ秋になったのかと実感するようになりました。季節の変わり目で体調を崩している方もおられるのではないでしょうか?秋になったと実感できるものはたくさんありますが、空を見上げるとその実感もひとしおです。
 秋になると空が水面に変わります。例えば、イワシやサバが泳いでみたり、さざ波が立ったり、と言っても雲のことですが・・・。秋になるとこのような多種多様な雲を見ることができます。
 例えば、一度は聞いたことのあるイワシ雲やサバ雲、そしてうろこ雲。これらは全て巻積雲という雲の別名で、もこもことした積雲の仲間です。空の上層(高度5〜13km)に現れた一つ一つが小さな雲の群れが、時にはイワシの群れに、時にはサバの模様に、時には魚の鱗のように見えるのです。
 巻積雲は特に秋になるとよく見られます。気温が低い空の上層に出来るため氷の結晶で構成されており、あまり分厚く発達しないので陰影がなく真っ白に見えます。台風が過ぎ去った後などの青空に真っ白な巻積雲が現れると美しく、昔から秋の季語などに使われてきました。巻積雲が現れるとやがて雨雲も現れることも多く、これから天気が下り坂へ向かうのでは・・・と目安とすることができます。
 ちなみに、巻積雲と混同してしまう似た雲があります。高積雲であるヒツジ雲です。高積雲は巻積雲よりも低い場所(2〜7km)でできるため氷晶と水滴が混ざっています。また見た目も巻積雲より大きめでふっくらしており、色も白から灰色がかって影がつきやすいのが特徴です。
 さて、さまざまな魚が泳ぐ“空の水面”ですが、この空に波が起きることがあります。波状雲という、波や畑のうねのように何列にも並ぶ雲のことです。波状雲は巻積雲や高積雲など、様々な種類の雲に波のような変化がつくことで出来ます。これは、冷たい空気の上に暖かい空気の層が重なると、層の境目に波を打つ気流が起きるためです。気流によっては波の形が大きなものからさざ波のようなものまであります。巻積雲が波状になると、天気が下り坂へ向かう可能性がますます高くなります。
 今までに挙げた以外にも、秋になると様々な種類の雲が一度に見つけることができます。様々な雲を見ることで、今後の天気の移り変わりがわかるので、変わりやすい秋の天気を快適に過ごすため注目できるといいですね。