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江波山気象館 メールマガジン
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2015年 1月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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2014年の日本の天候
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 年末年始の休みが明け、2015年が始まってまもなく1ヶ月です。もうすっかり正月気分も抜けきったころでしょうか。
 さて、気象庁では月が替わると毎回先月の天候のまとめを発表しています。1月5日にも12月の天候のまとめを発表すると共に、2014年(2013年12月〜2014年11月)の日本の天候を発表しました。今回はこれらのまとめから、昨年の日本の天候がどのようなものだったかを振り返りたいと思います。
 まず、昨年12月に大雪が降ったことはまだ記憶に新しいでしょう。冬型の気圧配置が強まり5日から6日にかけて各地で大雪となり、徳島県では局地的な大雪で100台以上の車が立ち往生したり、集落が孤立するなどの事態となりました。特に東日本日本海側の降水量は平年比281%となり、1961年以降で最も多い記録を更新しました。
 その他の具体的な特徴は以下のとおりです。
・年平均気温は、全国で平年並
・東日本日本海側と北日本は多雨・多照
・西日本は、2003年以来11年ぶりの冷夏
・関東甲信地方で記録的な大雪(2月)
・「平成26年8月豪雨」が発生
 なるほど、と思い出すことができますか?特に「平成26年8月豪雨」は大きな出来事でした。台風11号及び12号が接近・上陸するとともに前線が日本付近に停滞し、日本付近へ暖かく非常に湿った空気が継続して流れ込んだため、全国各地の広い範囲で大雨となりました。広島市では集中豪雨により大規模な土砂災害が発生し、その他京都府福知山市や兵庫県丹波市など様々な地域で洪水や土砂災害の被害がありました。
 それ以外の特徴はどうでしょうか。年平均気温が平年並みということについてですが、昨年は一年を通してずっと平年並みの気温が続いたというわけではありません。例えば北日本では冬から春の前半にかけて気温の低い期間が多く、東日本及び西日本でも、夏の後半から9月前半に気温が低くなりました。しかしその他の期間では平年と比べて気温の高い期間も多く、平均すると年平均気温が平年並みだったということです。
 東日本及び北日本では多雨で多照という、一見ちぐはぐな印象となりました。これらの地域では高気圧に覆われて晴れの日となることが多く、日照時間が平年と比べてかなり多くなりました。その一方で、台風の上陸が多く降水量も多くなったため、多雨と多照の相容れないような特徴が両方見られたのです。
 西日本の冷夏は特徴的で、太平洋高気圧の張り出しが弱かったなどの影響で気温が低く、日照時間もかなり少なくなりました。特に、西日本の太平洋側では1946年の統計開始以来8月における月間日照時間の少ない記録と月降水量の多い記録を更新しました。広島でも夏は雨の降る日が多く、プールや海に行くには寒いのでは?と感じる日も多かったです。
 さかのぼって2月の大雪は寒気で覆われることが多かった東日本で起こりました。低気圧が発達しながら日本の南岸を2度通過したため、広い範囲で大雪となり関東甲信地方を中心に過去の最深積雪の記録を大幅に上回る記録的な大雪となりました。
 一年の天候を振り返ることで、昨年の出来事をいつもとは違った観点で思い出すことができます。ぜひご自身でも昨年一年間を振り返ってみてください。

12月の天候(気象庁HP) http://www.jma.go.jp/jma/press/1501/05a/tenko1412.html
2014年(平成26年)の日本の天候(気象庁HP)
http://www.jma.go.jp/jma/press/1501/05b/tenko14.html