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江波山気象館 メールマガジン
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2015年 8月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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珍しい台風
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 先月に続き、今回はとても珍しい台風となった台風12号について紹介します。この台風は
平成27年7月25日未明に沖縄県の南大東島に接近し北上、26日19時頃に長崎県佐世保市
付近に上陸し、21時頃に対馬海峡で熱帯低気圧となりました。九州を中心に各地で強い風
雨となり、一部の地域ではけが人や建物被害も出ました。また、台風により暖かく湿った空
気が入ってきたため東北付近にあった前線が活発化し、東北北部でも大雨に見舞われまし
た。しかしながら、台風12号はその被害状況などとは別の側面で変わった経歴を持っていま
す。
 まず、発生した場所です。台風12号は気象庁の観測範囲である太平洋北西部(東経100度
〜180度)よりもさらに東から、日付変更線を越えてやってきたのです。このように、気象庁の
観測範囲外からやってくる台風のことを「越境台風」と言います。越境台風としては1951年以
降では今回で29個目となりました。
 台風12号が生まれたのは太平洋北中部(180度〜西経140度)で、観測は中部太平洋ハリ
ケーンセンターが行っています。熱帯低気圧の中でも最大風力が17m/s〜25m/s未満のトロ
ピカル・ストームに分類され、国際名HALOLA(ハロラ)と命名され、その後越境しました。通
常の台風の名前は、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府
間組織である台風委員会によって命名されています。しかし、越境台風については越境前の
名前がそのまま使用されるので、気象庁の観測範囲に入って台風となってからもHALOLAと
いう名前が使われました。
 越境台風は確かに珍しいのですが、それだけではありません。台風12号は7月18日に一度
熱帯低気圧に変わりましたが、7月20日に再び台風となりました。つまり、一度最大風速が17
m/s以下まで勢力が衰えたのに、再度勢力を増したのです。このような台風のことを「復活台
風」と言います。復活台風としては1951年以降今回で38個目となりました。
 台風12号のように越境台風と復活台風の二つの条件を併せ持つのは、1972年に発生した
台風28号のみで、今回で史上二つ目となりました。また、日本に上陸した越境台風としても
1997年の台風19号に次ぐ史上二つ目です。
 つまり、今回の台風12号は、“史上初の越境台風かつ復活台風で、日本上陸を果たした非
常に珍しい台風”だったのです。
 様々な被害を及ぼす台風ですが、生まれた場所や動向を知るととても興味深いですね。気
象について関心を持つきっかけとなれば幸いです。