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江波山気象館 メールマガジン
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2015年 9月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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大雨と防災
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 今月9日から11日にかけて関東から東北にかけて大雨が降りました。栃木県日光市五十里では最大24時間降水量551mmを記録し、観測史上1位を大きく更新した地点が多数ありました。栃木、茨城、宮城の3県では大雨特別警報が発表され、鬼怒川など複数の河川の堤防が決壊したり氾濫したりと、広い地域に被害が及びました。18日に消防庁から発表された情報では、死者8名、重軽傷者46名、家屋の全壊16棟、半壊9棟、床上浸水7,159棟、床下浸水11,723棟など、多くの被害が出ました。
 どうしてこのような大雨になったのでしょうか。原因は台風17号と台風18号の影響です。台風18号は、9日に愛知県知多半島に上陸した後日本海に進み、温帯低気圧となりました。この台風18号及び台風から変わった温帯低気圧に向かって南東から風が吹いたため、湿った空気が関東・東北地方に流れ込みました。さらに台風17号が日本へ接近したことで、台風17号の周辺の風によって大量に暖かく湿った空気が流れ込み続けたのです。
 湿った空気が流れ込み続けたことで、雨雲が関東で多数発生しました。この雨雲が発達しながら帯状に並んで北に移動し、それぞれが50mm以上の雨を降らせました(線状降水帯)。しかも、雨雲がどんどん発生し続けたため、記録的な大雨となったのです。
 このような大雨による災害は決して他人事ではありません。昨年8月20日の広島での土砂災害も記憶に新しいことでしょう。もしも自分が住んでいる地域で大雨が降ったらどうしたらいいのか知っておくことが重要です。
 まず、自分が住んでいる地域の危険な場所を把握します。自然災害が起こった時、がけ崩れがありそうな斜面や水が集まりそうな低い場所などを確認できるのがハザードマップです。ハザードマップを見て、家族と避難経路や避難場所を確認しておくとよいでしょう。
 では、いざ大雨が降った時どうすればいいのか。まずは避難することが大切です。しかし、大雨が降り浸水・冠水してから避難するのは困難で危険です。警報や避難勧告などの情報を確認し、早目に避難することを心がけましょう。また、浸水し水位が高くなってしまったら、無理に避難所へ移動せずに建物の2階以上などの高い場所へ避難し助けを待つ方が安全な場合もあります。
 自然災害はいつ自分の身に降りかかるかわかりません。非常持ち出し品や避難場所、気象情報の確認など、日頃から防災意識を高めておきましょう。

消防庁 平成27年台風第18号による大雨等に係る被害状況等について(第30報)
http://www.fdma.go.jp/bn/2015/detail/926.html
気象庁 台風第18号等による大雨 平成27(2015)年9月7日〜9月11日 (速報)
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2015/20150907/
20150907.html
気象庁気象研究所 平成27年9月関東・東北豪雨の発生要因
 〜2つの台風からの継続的な暖湿流の流入と多数の線状降水帯の発生〜 
http://www.mri-jma.go.jp/Topics/H27/270918/press20150918.html