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江波山気象館 メールマガジン
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2015年 10月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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季節予報って?
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 秋の行楽シーズンで旅行などの予定を立てている方も多いこの時期ですが、気になるのはお出かけの日の天気です。しかし、例えば1か月先の天気予報を調べようと思っても、具体的な天気予報は発表されていません。気象庁では1週間予報、他の会社が発表した天気予報でも長くて10日予報となっています。予報する期間が長くなればなるほど、十分な精度で予測することが困難になるためです。一方、気象庁では長期間の天候の傾向や季節の特性などを予報するため、1か月予報や3か月予報、暖候期・寒候期予報といった「季節予報」を発表しています。
 季節予報では、晴れや雨などの毎日の天気を予報するのではなく、「向こう1か月は晴れの日が多いでしょう」というように大まかな天候の傾向を予報します。また、予報する地域も県ごとなど限定的ではなく、全般天気予報では全国を4地域、地方天気予報では11地域に分けて予報しています。また、同じ地域でも太平洋側と日本海側など天候の違いを区別して予報する場合もあります。
 1か月予報は、1週目、2週目、3〜4週目についての平均気温と大まかな天候、1か月の平均気温や降水量、日照時間を予報します。3か月予報では月別の平均気温と降水量、大まかな天候、そして3か月の平均気温と降水量を予報します。また、暖候期予報は梅雨の入りや明けの時期、梅雨の雨の特徴、夏は暑くなるのかどうかなどを予報し、寒候期予報は冬が早いか遅いか、寒くなるのかどうか、春が来るのが早いか遅いかなどを予報します。
 実際に季節予報を見てみると、地域ごとに20:30:50というような数字が表示されています。これは気温や降水量などが平年と比べてどうなるかを表していて、左から順に平年より低い(少ない)、平年並み、高い(多い)確率です。20:30:50のときは、低いとなる確率20%、平年並みとなる確率30%、高いとなる確率50%となります。
 具体的な天気を発表していない季節予報では、日常生活で少し使いづらく感じるかもしれません。しかし、農業分野では作物を植える時期を調整したり、乾燥や低温などの対策を取ることができます。また、アパレル分野では季節商品の展開を考えるのにも役立ちますし、電力会社では電力の需要を予測することができます。季節予報はそれぞれの分野で役立つ重要な情報となっています。
 10月23日に発表された日本全国の3か月予報では、東・西日本と沖縄・奄美では冬型の気圧配置が続かず、北からの寒気の影響が小さくなるため気温は高めとなる見込みです。また、低気圧や前線の影響を受けやすいため、降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美では多く、北日本太平洋側と西日本日本海側では平年並みか多くなるとの予報です。
 この機会に、季節予報が生活の様々な場面で活用されているものなのだと、知っていただければと思います。

気象庁 季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/