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江波山気象館 メールマガジン
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2016年 1月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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摩擦と気象
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 現在、江波山気象館では新春企画展「すべる!すべらない!摩擦の科学」を開催しています。タイトルの通り、今回のテーマは「摩擦」です。摩擦と気象は一見すると何の繋がりも無いようにも思えますが、実は様々な場面で関係しています。今回はその中からいくつか紹介します。
 まずは雷についてです。雷は積乱雲や発達した積雲などの雷雲で発生します。積乱雲の中では激しい上昇気流が起こっており、この気流に乗った氷晶などがぶつかりこすれ合うことで静電気が生じます。発生した静電気は、雲の雲頂部分に+、雲底部分に−がたまっていきます。+と−の電位差が大きくなり、雲の中や雲と雲の間で放電することを「雲放電」と言い、雲と地上の間の電位差で放電することを「対地放電(落雷)」と言います。その電圧はおよそ1億ボルト(家庭用電圧の約100万倍)に相当します。
 風にも摩擦が働いています。空気の流れが地表と接するところでは、海上や陸地の凹凸、樹木、建物などの摩擦の影響を受けて、風とは反対の方向にブレーキがかかります。そのため、海面や地上付近の風は上空の風とは空気の流れの速さや向きが異なります。また、台風も風と同じように地上との間に働く摩擦の影響を受けます。台風は海面や陸上との摩擦を受けているものの、温かい海上にある間は水蒸気が供給されるため、あまり弱まりません。しかし、上陸すると海から水蒸気の供給がなくなり、さらに陸地の摩擦によってエネルギーが失われ、弱められます。
 気象現象だけでなく、お天気と日常生活の間にも摩擦が深くかかわっています。例えば、雨や雪が降ると普段の道路よりも滑りやすくなります。これは、靴底や車のタイヤと道路との摩擦が小さくなるためです。中でも、水たまりやマンホールの上などではより滑りやすいため、転びかけた経験がある方も多いと思います。また、雪が積もったときには、人や車が何度も踏み固めた雪道や、一度溶けて再度凍ったりした道路などはとても滑りやすく注意が必要となります。このように、摩擦は靴底やタイヤなどに接するものの材質や状態に影響して大きくなったり小さくなったりします。
 今回の企画展では普段あまり気にかけることのない摩擦の性質について、体験展示を通して楽しみながら学べるようになっています。平成28年3月13日までの開催ですので、機会があればぜひお越しください。