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江波山気象館 メールマガジン
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2016年 10月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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秋のことわざ
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 秋のことわざには様々なものがありますが、天気に関するものも多いです。代表的なものとして、「女心と秋の空」「男心と秋の空」ということわざがあります。私たちの感情や恋心が移りやすいことを、秋の空に例えたことわざです。秋は移動性高気圧と温帯低気圧が周期的に日本を通過します。秋晴れの日があったかと思うと数日後には雨になってしまう、そんな変わりやすい天気で「女心」「男心」を表現しています。
 「秋に雨が降れば猫の顔が三尺になる」というユニークなことわざもあります。猫が顔を三尺に伸ばしてしまうほど秋の雨を喜ぶという意味です。どうして猫が秋の雨を喜ぶのでしょうか。秋に多く現れる移動性高気圧が日本上空にやってくると、晴天となるものの大陸から寒気を持ってくるため気温が下がります。特に、風が弱く穏やかに晴れた夜には、地面に蓄えられた熱が放射され宇宙へ逃げやすくなっているため、地面が冷える放射冷却が強まります。地面が冷えることで地面近くの空気も著しく冷え込むこととなります。対して、低気圧がやってきて雨が降るときには、南から暖気が流れ込むため暖かくなることが多いです。夜間も雲に覆われているため放射冷却は弱まり、あまり気温が下がりません。秋の寒暖について、暖かい場所を好む猫の様子で表現したことわざなのです。
 また、「朝霧は晴れ」ということわざは、その日の天気を簡単に予想できる観天望気のひとつです。先ほどのことわざでも触れたとおり、夜間に晴れて風が穏やかな場合には放射冷却によって気温が下がります。すると、空気中の水蒸気が凝結し、朝方にかけて霧が出ることがあります。この霧は、日が出て気温が高くなるにつれて消えていくため、その日は晴天となります。また、夜間に冷え込むことで金属や植物、クモの巣なども冷えるため、その表面に露がつくこともあります。霧や露は秋の季語にもなっており、「クモの巣に朝露がかかっていると晴れ」「竹の葉から露が落ちると晴れ」など、「朝霧は晴れ」と共通する現象から生まれたことわざもあります。
 「天高く馬肥ゆる秋」も秋の空についてのことわざです。秋は空が高く晴れ渡り、馬は涼しくなったことで食欲が増して肥えたくましくなる、という意味です。ではどうして「天高く」見えるのでしょうか。いくつか理由が挙げられますが、一つは夏に比べて秋は空気が澄んでいるからです。日本の夏は気温が高く、空気中に水蒸気がたくさん含まれています。空気中の水蒸気が多いと、太陽の光が散乱して空が白っぽく見えます。秋になるにつれて気温が下がり、空気中に含まれる水蒸気が少なくなると、空気の透明度が高くなるため空が高く見えます。
 また、夏から秋になるにつれ、見られる雲の種類が変化することも、空が高く見える理由の一つです。巻雲や巻積雲などの高さ約5000〜13000メートルの高さに浮かぶ上層の雲が増えてくると、空が高く見えるように感じるのかもしれません。
 これらのほかにも秋のことわざで天気に関係するものがいくつかあります。生活に役立つことわざもありますので、ぜひ調べてみてください。