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江波山気象館 メールマガジン
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2016年 12月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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気象予報士ってどんな仕事?
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 先月11月13日(日)、江波山気象館では広島や全国区のテレビ局で活躍される気象キャスターの方々によるお天気スペシャルトークショーを実施しました。気象キャスターになるきっかけや普段のお仕事の様子など、あまり聞くことのできないお話を歌あり笑いありで楽しむことができました。
 さて、先日江波山気象館に「気象予報士になるにはどうしたらいいですか?」というお問い合わせをいただきました。気象予報士はどのような仕事をしているのか、気象予報士にはどうすればなれるのか、気象キャスターの仕事についても触れながら紹介したいと思います。
 気象予報士制度は平成5年の気象業務法の改正に伴い、平成6年に導入されました。この改正により、気象庁から許可を受けた許可事業者となることで、民間企業などでも予報業務が行えるようになりました。江波山気象館も許可を受けており、広島市の天気予報を1日2回発表しています。その際に、適切に気象庁のデータを扱える技術者(気象予報士)を確保するためにできたのが気象予報士制度です。気象庁以外で独自の天気予報などを行う際には、必ず気象予報士が現象の予想を行うように義務付けられています。
 気象予報士は、アメダスや気象レーダーなどのデータをもとに現在の気象状況を把握し、地上や高層の天気図を解析することでこれからの気象の予想を行うことのできる知識や技術をもち、許可事業者のもとで天気の予想を行うための資格です。しかし、気象予報士の資格を活かせる仕事は様々です。
 まず、気象予報士の仕事というと、やはりテレビなどに出演している気象キャスターが思い浮かぶかもしれません。実は、気象キャスターの方全員が気象予報士の資格を持っているというわけではありません。気象庁などが発表した天気予報の解説をするだけであれば、気象予報士の資格は必要ではないためです。しかし、気象予報士が気象キャスターを行うことで、入手した情報を専門的な目で整理し解説することができるため、より視聴者にわかりやすい天気予報を伝えることができます。
 気象キャスター以外でも、気象庁などから送られてくる気象情報をもとに、テレビの天気予報コーナーの台本を作成したりする裏方の仕事もあります。民間の気象会社、インターネットなどで発表される天気予報を作成します。また、電力会社では、その日の消費電力の目安となる気温の予想をしたり、野球場などでは、付近のピンポイント予想を行い、試合ができるかどうかの判断をしたりするために、気象予報士の知識が役立つでしょう。そのほかにも、農業や商業、インフラなど、様々な職種で気象予報士の知識や技術が活かされています。
 気象予報士になるには、一般財団法人気象業務支援センターが行う気象予報士試験に合格し、気象庁長官の登録を受けることが必要です。試験の内容は、気象学の基礎的な知識を問うものや、気象データを使って予測を行ったりするようなマークシートや記述式の問題です。合格率は平均5%程度となっており、難関とも言えます。平成28年12月1日現在、9714名が気象予報士として登録されており、そのうち広島県では157名が登録されています。大学などで気象や科学を専攻した人ばかりではなく、文系の方や気象とは全く異なる分野の仕事から転職される方も多いのが特徴です。年齢制限も無く、現在の最年少記録は2012年に12歳11か月で資格を取得した男子中学生です。
 気象予報士試験は毎年度8月(第1回)と1月(第2回)に行われています。なかなか簡単には取得できない資格ですが、気象に興味がある方は勉強してみるとより天気予報について詳しくなれることと思います。

気象庁HP 気象予報士について
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/yohoushi.html