△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

江波山気象館 メールマガジン
▲▼▲お天気かわらばん▼▲▼

2017年 12月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
https://www.ebayama.jp
============================================================================
冬の紫外線にもご用心
============================================================================

 12月20日から、気象庁ホームページにて紫外線の解析値(実況値)を日中(6時〜18時)の毎時間知ることができるようになりました。紫外線が人に影響を及ぼす度合いをわかりやすく示すために紫外線の量を指標化した「UVインデックス」を使って表されています。これにより、全国及び地方の紫外線量の分布図についても毎時間のものが見られるようになりました。また、これまでは気象庁の国内における紫外線の観測地点(札幌、つくば、那覇)のみだった紫外線量の推移状況が、全国141地点で提供されるようになりました。紫外線の対策として、より役立てられる情報となりました。
 しかし、冬に紫外線と言ってもなかなかピンとこないかもしれません。紫外線対策のために日焼け止めを塗ったり日傘をさしたりするのは、春から夏、秋までが多いのではないでしょうか。太陽から地上に来る紫外線の量は太陽高度や雲などの影響を受けて変化し、一日の中では正午ごろ、一年の中では夏に最大となります。ですが、冬でも紫外線を強く受けうる環境があります。
 例えば、雪が積もった晴れた日には注意が必要です。私たちが受ける紫外線は、上空から直接向かってくるもの以外にも、地面に反射したものも含まれています。地面の状況によって紫外線の反射率は異なり、アスファルトでは10%程度しか反射されないのに対し、雪が積もると反射率は80%にもなります。反射した紫外線に対しては、日傘はほとんど効果がありません。冬でも顔や手などの肌が出る部分には、日焼け止めを使用したり手袋を着用したりするなどの必要があります。
 また、標高による影響もあります。紫外線は大気を通る間に散乱し、地上に達するまでに弱くなります。しかし、標高が高いとその分通過する大気が少なくなるため、あまり弱まりません。一般的には、標高が1000m高くなると紫外線の強さが約10%増加します。また、山頂などで空気が非常に澄んでいると散乱が起こりづらく、さらに紫外線が強まることがあります。ドイツでは1000mあたり50%以上も増加したという観測結果もあります。
 これら雪と標高の両方の影響を受けるのがスキー場です。標高が高いスキー場の真っ白なゲレンデで一日中遊び、日焼けをしてしまうことはよく聞く話です。こういった雪による日焼けは「雪焼け」や「スキー焼け」などと呼ばれています。ゲレンデに出る前には、日焼け止めを塗ったり、紫外線で目を傷めないようサングラスやゴーグルを着用したりするなど、対策が大切です。
 長時間紫外線を受けると皮膚がんや目の病気につながることもあります。気象庁が発表する紫外線情報を有効に活用して、対策をこころがけましょう。

気象庁HP 紫外線情報の解説
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-55uvindex_info.html