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江波山気象館 メールマガジン
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2018年 11月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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小雪〜初雪の季節〜
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 今年の11月22日は二十四節気の一つ「小雪(しょうせつ)」でした。毎年11月22日頃となっている小雪は、立冬を過ぎて寒くなり、雨がそろそろ雪に変わり始める季節という意味です。今年は11月下旬になり全国的に急に冷え込み、地域によっては初雪が降りました。今回はそんな初雪についてのお話です。
 気象庁における初雪は、寒候年(前年8月から当年7月まで)に初めて降る雪(みぞれを含む)のことです。この冬に降る初雪は、2019寒候年(2018年8月から2019年7月まで)の初雪となります。初雪の他にも霜や氷など、冬に起こる現象は年をまたいで統計を行う必要があるため、寒候年で区切られています。
 雪や霧、霜、雷などのような大気現象は、地上気象観測装置や観測者による目視、聴音によって観測します。初雪は、現在大気現象を観測している有人の気象観測所58か所のうち、沖縄県の4か所と鹿児島県名瀬を除く53か所で観測が行われています。
 今年の初雪の観測記録を見てみましょう。日本の平地で最も初雪が早いのは北海道です。北海道では道内8か所で初雪の有人観測を行っており、今年の初雪は11月14日でした(稚内・旭川・網走の各地方気象台で観測)。現在の8か所で初雪の観測が始まった1939年以降、今年が最も遅い記録です。また、有人観測地点の一つである札幌では1890年の最晩記録に並びました(11月20日)。北海道以外では、11月21日に盛岡で、22日に青森・秋田で、23日に山形で初雪が観測されました。いずれも平年値(1981年から2010年の統計による)より5日〜13日遅い初雪です。
 有人の観測地点では少しずつ初雪が観測され始めていますが、無人の観測地点ではどうなのでしょうか。初雪は特別地域気象観測所の一部でも観測しています。特別地域気象観測所とは、アメダスで観測する雨や気温などの項目に加え、気圧や湿度、大気現象なども自動(無人)で観測している地点のことです。
 北海道で雪の観測を自動的に行っている特別地域気象観測所は14か所です。その中の雄武・小樽・岩見沢・寿都・倶知安では、有人の観測地点より早い10月30日に初雪を観測しました。観測地点の立地などの理由により、有人で観測している地点よりも早く初雪を迎える場所も多々あります。
 広島県では、広島地方気象台がある広島市中区で“広島”の初雪の観測を行っています。そのため、“広島”では初雪が観測されていなくても、広島県北部など雪が降りやすい地域ではすでに初雪を迎えている場合もあります。すでに庄原などの北部山地では今年初めての雪が降りました。
 “広島”での初雪の平年値は12月11日で、昨年は12月5日に初雪が降りました。急に気温が下がり、いよいよ冬がやってきたように感じる日が増えましたので、各地で初雪の便りが届き始めるかもしれませんね。