感雨器
収蔵品No.
 気象台での雨量観測は転倒ます型雨量計で観測されています。
 この転倒ます型雨量計は雨量計の内部にある、転倒ますに0.5ミリ
の雨がたまった時点で初めて0.5ミリの雨が降ったことがわかる仕
組みになっています。これでは雨がいつ降り始めたのかという正確
な時間がわからなかったり、0.5ミリ未満の雨しか降らなかった場合
には雨が降ったことがわかりません。
 そこで、感雨器という装置を使い雨の降りはじめと終わりを観測
しています。
 感雨器の感部には互いに離れた状態の電極が貼り付けてあり、電
極間には電圧がかけられています。雨が降っていないときには、電
極間は絶縁された状態のため電流は流れませんが、雨が降り電極の
間に水滴がつくと、水が電気を通すため電極間に電流が流れて雨が
降ったことがわかる仕組みになっています。感部には傾斜がつけら
れ、ヒータによって暖められているため、感部に落ちた水滴はすぐ
に蒸発して電流は流れなくなります。雨の降り終わりは、感雨器に
よって雨が感知されなくなった時点が記録されます。
 気象台や測候所における地上気象観測の雨量の記録をみると0.0ミ
リという記録があります。これは雨は降ったけれども0.5ミリに達し
なかったということを表しています。
※同じ雨量の記録でもアメダスの雨量の場合は雨が降っていない場
合も0.0ミリと記録されます。